関連リンク
カテゴリ
全体 建築 建築(PC) 建築(リフォーム) 建築(コンペ) プロダクトデザイン(家電) プロダクトデザイン(木工) プロダクトデザイン プロダクトデザイン(建築) マルゲリータ からくり造作家具 ブログをはじめました 未分類 以前の記事
フォロー中のブログ
デジタル花マクロ イタリア料理留学日記 ∽S カマタスエコのブログ モノオト のりのりのぼやき オオノ文具店 文具以外買った日記 [世田谷区の設計事務所]... シチリア時間Blog ひきだしのおく 一棟入魂 by 市川工務店 my sweet hom... 最新のトラックバック
ライフログ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
2006年 01月 01日
我々がこの仕事をしてからもうすぐ10年が経とうとしている。随分と早いもんだと思う。
この建物は精神科専門病院で病院そのものはこの地に古くからあって、その病院の外来及び入院施設の増改築を手掛けた、というケース。精神病院というこれまでに全く縁のない機能に対して手探り状態だった我々と期待をかける病院側とが格闘するような形で組み立てていった建物。それまでは半ば当たり前だった「鉄格子」がこの精神病院にもあった。ここではそれを取り払うことはもちろん「心の病」を受け入れる施設としてその暖かさ、柔らかさが徐々に求められていった。 旧外来棟を半分に切り、その残った半分で診療活動を行いながら、その前面に新しい外来を増築し、引っ越し、残りの半分を解体し繋ぎ、また改装、もう一度引っ越し・・・といった結果的に思えば病院側が一切休むことなく診察を続けられる状態を保ちながらの建築計画で、後から考えるとそれは全て必然的にそうなるであろうと予測された他に選択肢のない難しいプログラムでもあった。 建築計画を立てる際に最初に土地、都市計画、予算、時間等の与条件なるものが存在し、我々はそれを咀嚼した上での「回答」を提示するわけだけど、ここではその与条件の模索が終わった段階でほぼ建築の全貌がうっすらと見えてきた。それほど建築計画と工事計画は複雑に絡んでいた。 一方で病院側の夢も大きく「新しい病院を作る」という期待が様々な形になって我々に返された。その方面に殆ど無知であった我々も徐々にこの世界が見えてきて様々なスタイルの試行錯誤を行った。最終的に我々がこの建物に求めたのは ・「家(HOME)」を想起させる形状であること ・閉ざすこと の2点。基本的にその2点は相反する事象で、「閉じながら開かせる」という動きを建築に求めた、と言ってもいい。建物はその性格上閉鎖性を求められた。それはどうにでも可能だ。問題は開き方。写真にはないけど夜になると壁と壁、そして壁と屋根の空隙から光が漏れてくる。機能的に部屋の中心にある「窓」ではない部位から漏れる光、その光に「気配」を漂わせようと試みた。しかもこの建物、山奥にあるので周囲は完全に闇。写真の様な昼間の情景とは反転する様な秩父谷の闇の中に明かりが「気配」として漂えば、と思った。これが最終的な回答であるかどうか10年経った今でも疑問な点は多々あるけど、当時の自分はこれにて完結。 デザイン・アート系ブログ --------------------------------------------------------- あけましておめでとうございます。 いろんな方からblogを見てると言われ、今年はもっと更新せねばと焦ってます。 皆様にとって今年がよい年でありますように。 倉田裕之
by marghe
| 2006-01-01 19:49
| 建築
|
ファン申請 |
||