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2008年 10月 25日
三田通り、東京タワーに向かって歩くとその姿が最も綺麗に見えると言われているこの通り、そこに新しく出来た複合精神科クリニック、そこの内装のデザインの紹介。
都市型の精神科としてのコンセプト、更にはクリニックとしての基本的な機能、それを発展させた平面計画はクライアントであるここの精神科医との協議に則っとり、更にそれをブラシュアップさせながら組み立てた構成となっている。まあ、それはいつものこと。そういった通り一辺倒の必要な事象を決める課程とは別にでここで強く望まれていた事があった。それを感じた。 「落ち着き」。 その落ち着きという言葉を用いないで様々な譬えから「落ち着き」を求められた。内装計画、その建築としての輪郭を持たない内部の構成に如何に「落ち着き」を展開させるか、が我々に課せられた課題であると考えた。 「落ち着き」という言葉は「不安」の対極にある。寧ろその対極にあるものを対比させてこそ、それははっきりと認識される、それが我々が立てた一つの仮説だ。「落ち着いた」気配と認識させるにはその「落ち着かない」部分があってこそその要素は引き立つと言えないだろうか。しかし対極にある「不安」と言う要素もそれだと確実に残るためにその誂えには微かな矛盾も残る。 このクリニックでは床面と同じ素材で腰壁を作っている。その腰壁部分とそれより上の壁、天井面を一つの境界と定め、境界より下は色の濃い木材で構成、逆に上は明るい色で壁も天井には至らず途中で止まり上部を透けさせている。ほぼ対極にある色彩、素材の構成をこの境界で隣接させることにした。 いわゆる西洋的とでも言おうか、物がオブジェクトとして存在する証ともなる「影」、一方で深い色の床面では影が認識し辛い。影が見えにくいこの部分に「闇」を作る、いわば「陰」を作る。上が白くて下が濃いめ、この直喩的な作りを介して「陰」と「影」を対峙させる。そんな方法を模索した。 物がその影を失うと表層が均質な状態に近づき、重量感が喪失されてくる、と言われている。その均質な状態というのはある意味で心地よい。深層心理の中では日本人誰もが持っているどこかで見覚えのある佇まいに近いものと言える。かつて日本家屋には存在していたとされるその「陰」。 一方で西洋的な「影」。物に光りがあたるとその影を必ずどこかに落とす。これは人工的な照明であってもうっすらと入ってくる自然光であっても同様。しかもその影は媒介となる面は白に近いほどその輪郭が明確になる。光源とオブジェクトと受影面という構成、その受影面を構成するのが西洋的な考え方、と言えないだろうか。 日本的な構成は落ち着く、しかし西洋的なものは我々からしてみれば基本的にはその拠り所となるものは少ない。もしかしてそうだったら、という仮説に基づいて択んだ方法。両者の対峙、その結果「日本的な落ち着き」、これを引きだすことが出来れば、と考えた。 芝公園クリニックHP>>
by marghe
| 2008-10-25 16:40
| 建築
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